pleasure 〜11〜 『「君と契約をするよ」 「その契約結ぼう・・・」』 セピア色の映画の様な場面が頭に映し出される・・。 スザクがゼロと触れ合ったことで見た映像はモノクロの映画のようだった・・。 色はなく悲しい雰囲気が二人を映す・・ 怪我を負っているゼロを見つけその体に朱雀が触れた途端ゼロはうめき声をあげた。 その原因は朱雀が神力を持っていた為…触れるだけで悪魔のゼロにとっては苦痛を与えるそのものでしかなかった…。 苦しむゼロを見ながら朱雀はゼロに言った「悪魔は願いをかなえてくれるんだろう?魂と引き換えに・・」 息も絶え絶えにゼロはいう「あぁ・・そうだな・・でも今の俺にはそんな力はない・・早く消すなりなんなりすればいい・・どうせこのままのたれ死ぬ・・」 ゼロは覚悟を決めたのか瞼を閉じた。 そのゼロの自分の最後を悟ってしまった様な様子をみて朱雀は「君と契約すれば君は消えないで済むのか…?だったら俺と契約をしろ・・」 その言葉を聞いてゼロは何を言ってるんだと思った。 見た目からして神を奉っている様子のこの青年が何故悪魔との取引を要するのか・・・それに自分を助けて何の得がこの人物にあるか・・・このときの少しの興味が後に悲劇になるとも知れず朱雀の手を取った。 ++++++++++++++++++++++++ 「覚えていたのか・・」 朱雀がそういうとゼロは悲しそうな顔をして朱雀から目をそらした 「忘れてたよ・・今まで・・」 悲しそうな目の色は朱色・・・それは体に流れている血よりも鮮やかな色・・・ 今から300年前・・一人の男は悪魔を捕らえた。 その悪魔は傷を負っていて弱っていた・・ 男は悪魔と契約を交わした・・男は力を手に入れ・・そして悪魔は命を絶やした。 この2人がその300年前の2人・・・。 ルルーシュはゼロの生まれ変わり・・ゼロであったときの事は覚えているわけはなく・・そして、ゼロである事も思い出す事は今までなかった。悪魔として一度命を絶やしてからもう一度こんな短期間で悪魔として転生するのはとても稀な事…ルルーシュ自身は何が起こっているかさえわからないだろう…。 だがゼロ自身はそんなに困惑はない・・ルルーシュの中にゼロがいる。ルルーシュを通して・・ルルーシュと同じように外を見てきた。ルルーシュ自身がゼロを知らなくても・・。 300年前に交わした「契約」その名残がルルーシュの今の状態を作っている・・。 それをこの体になってすぐゼロは感じていた。 「朱雀・・お前は何で・・」 ゼロは朱雀に問うた・・何故今その姿のままここにいるのか・・・何故自分とまた一緒にいるのか・・・。すべて覚えていてなぜ・・・。 「ゼロ・・俺は朱雀でもありスザクでもある・・今ゼロと触れ合って完全な俺になれたよ・・・」 「どういう・・い・・み・・?」 ゼロが朱雀の頬に触れて聞こうとしたが意識が遠のいていく・・まだルルーシュに戻りたくない・・・まだ・・朱雀と・・あと・・少しでも・・。 「朱雀っ!」 手を伸ばしても届かない・・引き裂かれるような胸の痛み・・・頬を伝う涙・・・。 こんなに自分は無力だったのか・・思い知らされた現実と・・いつ消えてもいいと思っていたこの体が少ずつ消えていく感覚に、もどかしさと・・・そして苛立ち・・。 朱雀を残して消えなければいけない自分・・。 自分が消えてからも呪いを受ける朱雀・・・。どうして出会ってしまったんだろう・・ 会わなければこんな思いせずにすんだのに・・・・ でも・・・「朱雀」お前と居れた3ヶ月・・・とても幸せだった・・。 ただ…朱雀の頬に流れる涙を拭えなかった自分が…とても……。 朝起きると泣いていた・・・ルルーシュは布団から起き上がると自分の頬が涙に濡れている事に気がつく。 「(なんで・・涙なんか・・・)」 服の袖で軽く目をこすり夢で見たような気がする切ない気持ちに耐えていた。 とても大切だった人を苦しめる事しか出来ない・・・自分のせいで罰を受けている人が居る・・・。 そして・・・ コンコンっ 部屋のドアが不意に鳴り思考を邪魔される。 「おはようルルーシュ・・・気分はどう?」 扉が開かれるとスザクがいた・・昨日初めて見て驚いた制服をきてそこに立っていた。 気分と聞かれて別に何かあったかと考えると神社の本堂の扉の前で意識をなくしたことを思い出す 「あ、・・俺どうしたんだっけ・・・」 倒れてから今までの記憶は一切ない・・ずっと眠っていたのか・・?だから何かへんな夢でも見たのだろう・・自分が夢で泣くなんて・・・そんな事今までなかったのだから・・・。 「君ずっと眠ってるから・・・また学校送れちゃうよ、早く支度してね」 スザクがどこか寂しそうに見えたのは気のせいだろうか・・・そんな顔を見ていたら何故また学校なんかに行かなきゃいけないと反抗しようと思っていたのに・・・ 言えなかった。 10/02/12 修正。 こまごまと修正…頭の中はこのお話で一杯・・・ちゃんと終わらせる!!(意気込み!← |