pleasure









〜18〜







蔵から離れの自分が寝かせてもらっている部屋に戻るとそこにいるはずだったスザクの姿がなかった。

自室にでも帰ったのだろうか・・・。それともまた自分を探している・・?
そうだとしたら嬉しいなんてどこの乙女だ・・。

そんな事を考えながら布団に寝そべろうとしたがその布団はまだ温度を保っていた為にスザクがここを離れてからそう時間が経っていないことが判った。

「(・・どうしよう)」

スザクを探しに行った方がいいのか考えていたが考えているうちに眠気に襲われてしまいそのまま眠ってしまった

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朝日で目が覚める事が日常的になってきたルルーシュは布団の中で気伸びをするとすっきりとした体をゆっくりと起こした

「(体が軽い・・・めずらしいな・・・)」

自分の手のひらを見つめながらなんとなくそんなことを思う。手のひらに向けていた視線をずらし時計を見ると7時半・・いつもならスザクが自分をとっくに起こしに来る時間だった。

「(スザク…どうしたんだろう?)」

しばらくあっていないような錯覚がする…実際はまだ一日も経っていないのにそんな事を思うのはやはりゼロの影響なのか…。

布団を畳押入れにしまうというなれた作業をこなし母屋の方にあるスザクの部屋に向かう。

「・・・スザク??」

襖を少し開きながら中の様子を伺うとそこにスザクの姿はなかった。

「(スザク・・・どこに行ったんだろう)」

部屋の中に入りスザクのベッドに触れる…そこにはかすかに温かさが残っていた…昨日の夜布団に感じたのと同じその温かさ・・・。
その微かなスザクの体温と部屋にあるスザクの匂い…暖かな匂いのするこの部屋。
昨晩から感じている寂しさと相俟って目頭がツンと熱くなるのを感じた。

「(どうしてこんな思いしてるんだ・・・っ)」

どうしようもない気持ちになってきたルルーシュはスザクのベッドにもたれかかり潤んでくる瞳を自分の腕で覆い隠す。

「スザク・・・」

小さくつぶやくと後ろからふわっと抱きかかえられる

「えっ・・・!」

「なぁに?ルルーシュ?」

身長差はないものの自分よりもがっしりとした腕に包まれるように抱きとめられるのに気付き振り返るとにっこりと微笑むスザクが居た。

「君を起こしにいったんだけどすれ違っちゃったみたいだね?」

涙ぐんでいるルルーシュの頭をよしよしと撫でながらはなすスザクにルルーシュが我に返る。

「こ、子供扱いするなっ」

自分を撫でている手を振り払うとスザクはきょとんとした顔を一瞬見せてからにやりとまた嫌な笑みをする。

「だって子供みたいでしょ?僕が居なくて寂しくて泣いちゃうんだから」

スザクがしたり顔でルルーシュにいうとルルーシュの顔はどんどんと赤くなる。少しの抵抗かの様にきつくスザクを睨み付けるがその様子もスザクからしたらカワイイ以外の何にもでもなかった。

「そんな可愛らしい顔してもらったらもう一生君の傍離れられなくなるなぁ」

ルルーシュのシャープなラインの顎をくいっと掴むと無邪気とも取れる笑顔を向けながら少しクサイ台詞を吐くスザク。そんなスザクの言葉にルルーシュはカッとなり少し感情的に言葉を発する

「はっ・・笑わせるなっ人間の一生等たかがしれてる…一生等、軽く口にするな…!」

言葉を放ちながら思う…所詮悪魔の自分と人間のスザクが入れる時間は限られている。そんな事…わかっていた…でも、、やっと会えたのに・・やっと…自分の気持ちに…

自分が言った言葉に自分がショックを受ける。でも・・・短い時の中でもスザクと居れるなら…。
そう思い気丈で居なければ…。

「一生・・・君と居るよ。僕は」

優しい微笑で言うスザクにルルーシュも伏し目がちに微笑む…もう刻々と時間は進んでいくしかない。
出会えた事だけでも喜ぶべき奇跡だ・・。
スザクが今この時、この時代に居てくれて…自分と出会ってくれて、その偶然に幸せを感じて、これから2人で過ごして生きたい・・・。

「あぁ、スザク…絶対に俺を離すなよ」

スザクの肩に額をこつんとくっつけるようにルルーシュがいうと「珍しく素直だね」とスザクがからかう様に言ってくる。
その言葉でルルーシュにふっと笑いがこぼれる。素直になる様にしているわけじゃない…自然とこんな事ができるのはゼロのおかげだと思う。
きっとゼロは自分より素直に朱雀と接していたのだろう。昔からこうしていたような気さえする。自分が思うのも変だが…自分は随分とひねくれた性格をしている…甘えるとか素直に気持ちを言わないから…だからこれはゼロがしている事。
そう思えばあまり恥ずかしい事ではないと思いながらしばらくの間スザクに寄り添うようにくっついていた。

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ルルーシュの雰囲気が変わった・・。
これは必然だったんだろう。もう思い出す事がないと思っていたけど・・・。

時間的にはあと数週間といった所か・・・。

君に力がもどったときに僕は・・・






100218   修正。  これからは新しく書き進めていきます!お付き合い頂けると嬉しいです!