秒読み










〜秒読み   2〜






スザクの手が触れる前に一歩後ろに下がる・・・こんな汚い自分に触れて欲しくない(ユフィの所にいるお前なんかに触れられたくない・・・)

「・・・ルルーシュ?」

心配げに見つめてくるスザクの視線…
(鬱陶しいからほっといてくれ・・・)

「雨、強くなってきたから寄っていくか?」

普段と変わりなく微笑み言うルルーシュに違和感を覚えるスザクだったが「うん」と返事をする。

「(どうしたの・・・?ルルーシュ・・・それにその跡は・・・?)」

スザクは聞きたくても聞けなかった・・・それを聞くのが怖いのもあった・・・。

「これ使え・・・」

スザクにタオルを渡す・・・「ありがとう」とタオルを受け取り雨に濡れた髪をごしごしと拭き始める

「・・・で、何か用じゃなかったか・・?」

ルルーシュもタオルで適当に頭を拭き肩にタオルをかけながら聞く

「あ、えーと・・・知ってると思うけど…騎士のこと伝えに着たんだ…直接いえてないうちにばたばたしちゃったから・・・」

「そうか・・直接言ってくれるのまっていたんだ!おめでとうも直接言いたかったからな。
(そんな事・・聞きたくない・・・・めでたいなんて思っていない・・。)」

ルルーシュは優しく笑いかけスザクに言う

「ほ、本当に?・・・ありがとう・・・」

スザクは少し意外に思ったがあまりにも優しい笑顔で言われたから拍子抜けしてしまった

「ユフィは良い子だからしっかり守ってやってくれ・・・」

また髪を拭き始めてしまったルルーシュのその表情はスザクには見えなかったが本当はとても悲しい顔をしていたのだ・・・。

「・・・うん。・・・でも!」

「あ、そうだ!!今度生徒会でお前の騎士着任を祝ってパーティーを開くって会長が言っていたんだ今度学校にはいつくるんだ?」
スザクの話しを遮ってルルーシュが話し出す・・・まるでスザクの話は聞きたくないという様に・・・。

「あ・・・えと、来週からは普通にいけると思うよ」

「そうか・・・じゃぁそう伝えるよ」

そう話していると不意にルルーシュの携帯の着信音が鳴る・・・

「すまない・・・少しいいか」

ルルーシュがそうスザクに言って電話に出る

部屋の隅のほうに行き電話に出る

その相手は先ほどの客だった・・・。

「はい・・・・ええ・・・・そうですね・・・・」

スザクはその電話の様子を濡れた制服を拭きながら少し見ていた・・・

「(・・・親しそうな雰囲気だな・・・)」

電話の様子から仲の良さそうな雰囲気を感じ取ると色々勘ぐってしまう。さっき見たあの跡をつけた人か・・・?
キスマークなんてよっぽど独占欲の強い女性か・・・もしかしたら・・・・

等と色々考えを巡らせていると

「はい・・・じゃぁまた今度お願いします・・・でわ・・・」


電話が終わったらしい・・・。

「・・・えと・・誰だったの?」

スザクが聞きづらそうに聞いてくる・・・俺のことなんてどうでもいいじゃないか・・・

「スザクの知らない人だよ」

にっこりと笑ってそう答える。
そうすると少し傷付いたような顔をするスザク・・・なんでそんな顔、お前がするんだ・・・?
お前も俺と同じくらい傷付けばいいんだ・・・でも俺みたいに汚れて欲しくはない・・・

そんな矛盾したような感情でまた俺は壊れていく・・・。








100216   修正。