秒読み












〜秒読み  7  〜






色々な事が頭に過ぎったけどルルーシュはいつも通りだし・・・大丈夫かな・・?

そう思いながらスザクはルルーシュのいるクラブハウスに向かう・・・

コンコンっ・・・

「ルルーシュ・・?僕だけど・・・」


部屋の扉を叩くが出てくる様子がない・・・

「(・・・寝ちゃってるのかな・・?)」

確かめる為にオープンのボタンを押してみるとシュッとドアが開く

「ルルーシュ?・・・寝ちゃった?」

開いたドアから静かに入るとベットに横になっているルルーシュがいた
そのベットに近づき寝ているルルーシュの頭に手を置く

「(熱はなさそうだな・・・って言うか珍しいな・・・全然起きないや・・・)」

警戒心の強いルルーシュは大抵人が近づくと起きてしまう・・それは小さい頃から変わらなかったのに・・・そう思いながら目線を下に降ろすとベットの下に何かあるのを見つける

「(?・・・制服??)」

見る限りで制服のようだった・・・スザクはルルーシュが几帳面過ぎるくらい綺麗好きなのにおかしいなと思いながらその制服に手を掛け様とする・・・・

「(・・・・っ!!)」

スザクはその制服に手を掛ける前にその汚れに気付いてしまう・・・普通に生活しているにはおかしいその汚れ・・・

「んっ・・・」

ルルーシュの起きそうな雰囲気に気付き屈んでいた状態をぱっと起こす
ドクドクと変な動悸がする・・・

「あ・・スザクか・・・悪い・・・寝てしまっていた」

ルルーシュがスザクに気付き声を掛ける

「あ・・ごめん起こしちゃったね・・・」

スザクがルルーシュに謝りそのベットの端の方に腰を落とす

「いや・・気にするな、きて貰っていてすまない・・」

ルルーシュがベットに座りなおし起き上がる

「謝らないでよ、僕が勝手に来ただけだから。何か欲しいものある?」

スザクがルルーシュに笑いかける

「あ・・いや・・・そんなに悪くないし自分で出来るぞ?」

ルルーシュが遠慮がちにそういうとスザクが立ち上がりいう

「顔色悪いよ!とりあえず何か飲み物持ってくるよ」

ドアに向かいルルーシュに待っててと言って行ってしまう。

部屋の扉がしまってからスザクが崩れ落ちる・・・


「・・・なんで・・・・」

震える両手で顔を押さえるスザク。

きっと・・・違う・・・僕が思っていることは・・・そんな事・・・あっちゃいけない・・・でも・・・・っ・・・


スザクはとめどなく溢れてくる涙が頬を伝う感覚に痛みながら自分の考えを否定する・・

――――――――――――――――――――――

スザクが飲みもの持ってくるといって部屋を出てからルルーシュは頭を抱え込む


「(何故普通に・・接してくるんだ・・・?・・・気付かなかった?・・・そんなに鈍い奴だったか?)」

ルルーシュはいくつかの可能性を考える・・・でもどれも確信にいかない・・・


「(まぁ・・・いい。今度はもっと確実なものを・・・きっとそうすればいい・・・)」

今回の策は失敗だと思うことにして次の機会を望む事にしたルルーシュ・・・スザクがあの制服を見つければ何も言わず自分から離れてくれると思っていた・・・あんなわかりやすく「汚れた」制服・・・
他に何も言い訳できないものなのに・・・加えて自分には暴力を受けた後なんかないのがわかりやすいようにいつもの部屋着でいるのに・・・
スザクが何を思ってあの笑顔を見せてるんだろう・・・

そんな事を思いベットに倒れこむ・・・

「(スザク・・・早く俺を楽にしてくれよ・・・こんな思いは   辛い    )」

自分自身を抱きしめるように丸まるルルーシュ・・・・その表情は   悲痛






100216  修正。