秒読み 〜秒読み 11 〜 ルルーシュに拒絶されたという事が頭で響いている・・・。 彼はいつも無愛想だけどその中に優しさがあって・・・冷たく言っているようでその優しい表情の君が・・・いつも好きだった・・・・ それがさっきの彼からは表情からもその暖かさが消えたようで・・・とても・・・悲しい顔。 どうしてそんな顔するの・・・僕は君のための居場所を与えたかっただけなのに・・・君と・・・ナナリーと・・・昔見たいに・・・・。 強くこぶしを握り締めながらルルーシュが去った扉からスザクは後を追った。 「学校ではいけないんじゃなかったのかな?」 少し広さがある体育用具室の中ルルーシュと1人の男。その男がルルーシュの肩を抱きながら上品といえない顔で話しかけてくる 「今日は人・・・少ないですから・・・」 あまり意味など無いようにルルーシュがその人物に伝える 男も対して学校であることも気にする様子が無い。 「(教師というのも腐っているな・・・・)」 この教師もルルーシュの少し前からの客・・・・学校で迫られたのを拒み外でならと承諾したのはいつだったか・・・・。 後ろから抱かれ腰の辺りを撫でられる感覚に寒気を覚えながらルルーシュが先ほどの事を思い出す。 スザクから逃げるように屋上を後にして昨日あらかじめ連絡を入れていたこの教師に会いここにいる・・・。あの後スザクは俺を追いかける事は必然・・・見つかるのも時間の問題。 そう…ルルーシュの目的は最初からこれであった。スザクに嫌われたい・拒絶されたい。 そんな思いが自身を大きく取り巻き深く深く落ちていく感覚・・。どうあっても前には戻れない・・・この汚れた自分では・・・。 男はルルーシュの反応を気にする事も無く触れる事に没頭していた身体の後ろから抱きつかれて首や背中・・・その男の指や息が当る所から虫唾が走る・・・その部分が腐っていくように・・・その部分から侵食され・・・心までも蝕まれていくように・・・。 そんな感覚から快感だけを得ることに集中し始めようとした時に携帯のバイブがブブブブと震えた。 「(あー・・・来たか・・・)」 ルルーシュが不意に思う それは昨日ルルーシュ自身が仕掛けたセキュリティー・・・スザクの生徒IDだけに反応するように設定した。 スザクがこの用具室に入ったときに自分の携帯にだけ転送するようハッキングしたシステム。 用具室は広さがある・・・すぐに目にはつかなくても声や雰囲気ですぐ気付くだろう・・・。 「・・・はっ・・・んっ!」 わざとその声を出す・・・・ 早く 気付いて 。 ――――――――――――――――――――――――――――― 目の前の光景はなんだ・・・・。 スザクがルルーシュを探していてこっちの方に来たという情報だけで探し回ってみたが一向に見つからず少し物音がしたと思ったこの用具室に入りとたんに異変に気付く。 「・・・はっ・・・んっ!」 その艶のあるような声にこの異様な雰囲気の理由がわかる・・・はじめはこんな所でよくもまぁできるなとあきれたが物陰から見えた黒髪に息が止まった・・・・。 それは間違いなく自分が探していた人物で・・・しかも先ほど囁かれた艶っぽい声を出しているなんて・・・もしかしてとは薄々わかっていた部分もある・・・でも、なんで・・・? スザクの頭の中は疑問や動揺でいっぱいだった・・・。その場から逃げ出したい気持ちと・・・動けない足・・。 「んっ・・・ふ、・・・あっ」 ルルーシュから出ている声が自分の中でコダマするように響いている・・・頭の中で響く声は初めて聞かされるその声は・・・刃のように心に突き刺すようだった・・・。 ――――――――――――――――――――― スザクが入ったとわかるメールから数分・・通るたびに送られてくるはずのメールはまだ一度だけ・・・ 早く行って欲しい・・・そしたらすぐこんな奴押しのけて帰るのに・・・ 男が執着な程に体を手で弄り続けるのにに疲れてきたと思いながら頭の隅で考えるルルーシュの瞳はうつろに成っていてもう何も考えていないようだった。 「きれいな肌だね・・・本当に「キレイ」だ」 男が何の気なしにそう囁く声に違和感を覚える・・・ 「(キレイ・・・?綺麗ってなんだっけ・・?俺は違う・・綺麗なんかじゃない・・・綺麗な感情などもう持っていない・・・綺麗な体など・・・とっくに無い・・・きっと・・・もとから ない。)」 そんな深い思考の中体からがっと勢い良く衝撃が来る。 はっと気がつくと今までルルーシュを弄り続けていた男は壁際まで倒れていてそれをやった人物は・・・ 「・・・スザク・・・?!」 信じられない者を見るようにルルーシュがつぶやく スザクは男をにらみ付け拳を握り締める 「お前なんかがルルーシュに触れるなっ」 いつもと違うその響くように低いスザクの声に男も・・・ルルーシュ自身もヒュッと背中が冷える思いがする。 その言葉を聞いてから男は戸惑いながらも言葉を繰り出す 「はっ・・・その子から誘ってきたんだ・・・私にそんな事言わないで欲しいな・・」 あざ笑うように男が笑みながらスザクに言うと先ほどよりも強い口調で「だからなんだ・・・お前が触れていい理由には成らない・・」 その目は光をともしていないように暗く・・・まるで闇のようだった。 その目でにらまれ今度こそ男が何もいえなくなりその場を逃げるように立ち去る 「ルルーシュ・・・」 振り返りスザクがルルーシュを見る・・・その目は・・・・・。 ―――――――――――――――――――――――――――― 男が囁いた言葉に自分の中で何かが切れた・・・。 「綺麗」・・・ ルルーシュはいつだって綺麗だった。 もちろん今だって・・・それは誰にも汚されちゃいけないし・・・汚れちゃいけない・・・。 今までがどうだったかなんてどうでもいい・・・それに自分も・・・・ そうおもったらルルーシュに張り付いていた男を壁際にふっ飛ばしていた。 男がルルーシュから誘われたといったがそんな事は問題じゃない。 ルルーシュに、こいつみたいなのが触ってはいけない・・・そう・・・いけないんだ。 「・・・ルルーシュ」 名前を呼びながら振り返り歩み寄りルルーシュを腕に抱く。 「君が離れるのは嫌だ・・・!君だけがいればいい・・・」 そう・・・口から出た自然な言葉。 どうしてなんてもう聞く気も無い。僕にはルルーシュが居てくれる・・・その事実だけで十分だから。 「スザク・・・でも・・・」 「ユフィの騎士は解任させてもらう・・・君だけを思って・・君だけを守っていく・・・」 「・・・ありがとう」 いつもよりも優しく甘いような微笑を見せてくれるルルーシュ・・・。 もう周りなんて見たくない・・・大事なものは君自身だから・・・・。 スザクの行動は予想外だった・・・でも思っても居ない行動・・・それが俺の引き金だった・・・ 「君だけを・・・」 その言葉でぷっつりと糸が切れたんだ・・・「優しい」愛なんて必要ない・・・と。 そう・・・俺が・・おれ自身が与えるのは「狂気」な愛・・・。 俺だけを必要としてくれれば・・・俺だけの為・・・そんな自己愛のような・・・俺の狂気の愛を受け入れてくれるなら。 「・・・ありがとうスザク・・・愛してるよ・・・。」 ・・・こんな狂気の愛が出来るまでのカウントダウンが今までされていた・・・壊れる前に狂う歯車のようなこのカウントは・・・・ ゼロ。 END ? 100216 修正。 見直してみて色々と伏せん回収できていないことに自分で驚きました@@; 二人ともすれ違ってる本編もどき^^;;;;所々で出てくるルルーシュのやんでる感じが自分では結構好きな作品なのですが…終わり方が二人とも盲目愛的な終わり方…これからの二人はどうなるのかなと少し思うところがあるのですがいったんこのまま終了ということで☆← |