秘密・・・




拒絶





色々な観光地を巡り終え枢木邸に戻ったルルーシュ達は夕食を食べながら今後の話をした。

「では式はブリタニアであげる事にしよう。こいつが18になる年にそちらに向かわせます」

ゲンブはスザクを見ながらルルーシュの側近だというジェレミアに伝える。

「はい。それだけがこちらの条件です。」

ジェレミアはルルーシュの横に姿勢良く立ち答える。

「え、式って…!!ちょっと待ってよ!!父さん!」

スザクが耐え切れず声を荒げるとゲンブはスザクを睨み付け冷たく答える

「お前は黙っていなさい。これもお前の為になる事だ」

クッと奥歯をかみ締めてわかりましたと答えたが心の中では違っていた。

「俺は席をはずします。」

俯いたまま言い放ちスザクは自室に戻った。

(何が俺の為だ…全部自分の為じゃないか…ブリタニアとは戦争すれば負ける…でも外交は自分の都合の良いようにしたい為に俺を売るくせに…)

そんな風に思いベットに寝っころがりながら天井を見ているとトントンとドアを叩く音がした。

「はい?」

「ルルーシュです。入れてくれますか?」

ドアを開けルルーシュを部屋の中に入れる。ジェレミアも付いてきていたがルルーシュが部屋の外で待つように言った。

「どうしたんですか?皇女殿下がこんな部屋に」

少し皮肉っぽくスザクが言うとルルーシュは鼻で笑いながら話し始めた

「そんな言い方も出来るなんて知らなかったよ。会ってからあまり話さなかったから大人しい奴かと思っていた。…でもこれなら協力してもらえそうだな」

また先ほどまでの愛らしい表情は一切なく意地悪そうな顔でスザクを見ながらしゃべるルルーシュにスザクはまた驚いていた。

「お前何なんだよ!!それが本性か?さっきと全然違うじゃないか!」

ショックを隠しきれて居ないスザクは少し声を張ってルルーシュにいう。

「静かにしてくれないか?外に居るものに聞こえてしまうじゃないか…まぁそれは追々話すよ。
今時間無いから用件だけ言う。これからはこの婚約の話に協力してくれ、君は乗り気じゃないかもしれないが私は事情があってこの話を進めたい。君も悪いようにはしない」

淡々と話すルルーシュに呆気にとられながら聞いていたスザクは疑問がいっぱいだった。

「え…と、ルルーシュは俺の事好きになったの?」

「は?何言ってるんだそんなわけ無いだろう」

はっきり言うルルーシュに胸が痛んだ…そしてスザクの中で何かが切れた。

「そう・・・まぁわかったよ。結婚するのは18になってからだったね・・・。それまでは君たちの言う事聞いてみるよ。」

俯きながらスザクが言い放つ。その声はきつく冷ややかだった。

スザクは思った。多分はじめてみた時にルルーシュを好きになっていた。けどそれは見かけだけだったらしい…。中を知ればなんら惹かれない…上流階級で育ち他人の痛みなんてわからない子だったんだ。
そう思ってしまうと途端に冷めた気持ちになった。でも目の前に居る綺麗なルルーシュを見るとそんな気持ちが揺らいでしまう。
こんな自分にも嫌気が差した。だから思ったんだ18になった時すべてを壊してやろうと・・・。
その時までは君の思う通りの駒を演じようと・・・・。

「ルルーシュ様お時間ですので。」

部屋の外からジェレミアが声を掛けてきた。

「わかりました。今行きます」

ルルーシュが返事をした後スザクに話しかけてきた

「ありがとう。今度会うときにまたちゃんと話すから」

笑いながらルルーシュが言ったのを見た。…その顔は今まで見たルルーシュの笑顔の中で一番可愛かった…素直に笑うルルーシュ…きっと今見せた顔が彼女本来の笑顔なのか・・・とも思ったが先ほど受けたショックも相成り素直な感情を信じられなくなっていた。




10/02/03   修正。