秘密・・・



誤解







「母上・・・今なんと?」

ルルーシュは母の口から出た言葉が信じられなく、変な笑みまでこぼれ始める。

「だ・か・ら!枢木首相は本当に結婚すると思ってるの。」

当たり前でしょとでも言いたげな母親の言い方にルルーシュは言葉を失い頭から血の気が引いていくのを感じる。そして何も言わずに出て行こうとする。

「ちょ、え・・・ルルーシュ?!」

そんな予想外な行動のルルーシュの後をスザクが追う。2人が出て行き取り残されたマリアンヌはふふふと笑いながら誰かに話し始める

「本当に相性がよさそうだわ・・・これからが楽しみね」

「私はいつでも大丈夫だぞ。あの二人が準備が出来たらまた呼べ・・・にしても何で今話さなかったんだ?・・・相変わらず性格悪いな。」

扉の影から現れたのは緑色の髪をした不思議な雰囲気の少女だった。
その少女を確認したマリアンヌは、そんなことないわと綺麗な微笑みを浮かべるがそれはまるで小悪魔のような笑みだった。


「ルルーシュ!!どこ行くの?!」

「うるさい・・・これから皇帝に話をつけに行く・・・もうこんな事真っ平だ。」

青ざめた顔のままふらふらと歩くルルーシュの腕を掴み声を荒げる

「ちょっと待てって!!」

「離せスザク!!」

キッと睨み付けるルルーシュの目には涙が溜まっていた。

「おかしいだろう!こんな格好までさせられて国の為に・・・自分の父や母にいいように使われたこんな私は・・・今まで・・・信じてやってきたのに・・・」

感情を思いっきり出して叫ぶように訴えてくるルルーシュにスザクも胸を痛める・・・スザク自身もそうだった…
周りの人間は国や地位の為ばかりで誰もスザクの心配や為を思ってくれる人間はいない・・。
スザクは初めから周りに期待などしていなかったから…自分は国の為に在るもの・・・。そう思っていたから今更ショックはない。
でも今ルルーシュは違う。生まれた時から性別を偽られて、物心が付いた頃に自分の置かれている立場を理解させられて「そうあれ」と強要されていたんだろう。
それでも期限付きだといわれその時が来るまで我慢をしていたのだ・・・それなのに・・・・

ルルーシュの心境が痛いほど伝わったスザクは涙を耐えているルルーシュの背中をそっと抱いた。

「おかしくない。君は…何も悪くない。ねぇ…俺にちょっと付き合ってくれる?」

背中から抱きしめられる形でいたのでルルーシュはスザクがどんな顔をしているか見えなかったが、その声は今まで聞いたスザクのどの声よりも優しくルルーシュの心に響いた。

君の痛みがわかったから…僕は君に素直になろうと思う…それと・・・自分の気持ちにも・・・。


10/02/03   修正。