秘密・・・




大切に






異様な雰囲気の中ルルーシュが意を決して話しはじめる。

「ユフィ??いったいどうしたんだ?お前がそんな事言うなんて・・・」

「あら、どうもしませんわ。ただ正直な気持ちをお伝えしたまでです」

あたふたとしたルルーシュとは対照的に落ち着き笑顔で答えるユフィその様子をみてスザクがフっと笑い出してしまった。

「何がおかしいんスザク!」

目くじらを立てて怒り出すルルーシュ。当たり前だろうスザクの為に何とかフォローをしようとして頑張っているのに笑い出すなんて・・・。

「・・・いや、ごめん・・なんかあんまりにも仕草が似てるから・・・」

ユフィの仕草はルルーシュが猫を被っている時の仕草にそっくりで何か親近感を持ってしまったスザクは軽く笑みがこぼれてしまったのだ。


「それはそうでしょう。物心着く前から一緒に居るんですもの!ルルーシュが女の子らしくするのを嫌がってた頃私がルルーシュに色々教えたんですから!」

にこにこと説明しているユフィの特に物心付く前から一緒に・・・のあたりから何か敵意がこもっているのを感じずにはいられなかった。

「ユフィ・・・良くそんな昔の事覚えてるな・・・」

「ルルーシュの事ですもの。当たり前です!」

そう返すユフィの顔はとても明るくて本当にルルーシュが好きなんだという事がわかる
先ほど言われた言葉は気になるがこの二人を見てると本当に微笑ましい。まるで本当の姉妹のようだ。
そんな風に見ているスザクをユフィは隠れ見ていた・・・

「(マリアンヌ様から聞いたとおり本当に良い方です・・・これじゃぁ本当にルルーシュの事をあきらめなければ・・・)」

ユフィは寂しく思ってはいるがどこか嬉しくもあった。
小さい頃から一緒に育ち、一番近くに居たユフィでさえもどこかで辛いことを話さないルルーシュに対し寂しくもあって心配だった。
それがこのスザクという人の前では今までとは違った表情を見せている・・・。
正直な所悔しい気持ちはある。でも安心もしている。
というのがユフィの本当の気持ち。
初めから反対なんてするつもりは毛頭無かったのだ。
ただルルーシュが好きになった人がどんな人かを見たかった・・。
もしさっきの事でユフィに対して嫌悪感やそれと似通った思いを抱いたらきっと私はルルーシュにそれとなくやめて欲しいと言うつもりだったがそんな事をする必要もなさそうだ。

そう思ったユフィはまたスザクに向き合い話しはじめる

「枢木スザクさん・・ルルーシュを…大切に出来ますか?」

先ほどまでにこやかだった表情とはかわって真剣なその表情を見たスザクも真剣に答える

「当たり前です。・・・誰よりも大切にしますよ」

そういったスザクを見てふわりと微笑む。
スザクとユフィの会話で少し赤くなった顔のルルーシュを見てユフィが話す

「ルルーシュ・・・またきます!その時ゆっくりお話しましょう!」

急に態度が変わったユフィに呆気にとられてかける言葉が見当たらないルルーシュは「あぁ」だけしか言えずユフィが出て行ったドアをただ見つめていた。

そんなルルーシュとは違いユフィのあの微笑で了承が得れたと確信したスザクはこれからもユフィとはいろんな意味でぶつかるかもしれないがきっと仲良くできると思いユフィが出て行った方を見て微笑んだ。
そして固まっているルルーシュの後ろから腕を回し抱き締めると先程ユフィに伝えた言葉を今度はルルーシュの耳元で囁く

「ずっと・・ずっと大切にするよ・・誰よりも一番に君を思ってる・・・」

そんな事を耳元で言われたルルーシュは先ほどとは比べられないくらい赤くなり俯いて何も言ってくれない・・。でも回した腕にそっと手を当ててくれたルルーシュに満足してまた少しそっと強く抱きしめる。


10/02/03  修正。 ルルーシュが大好きなユフィが大好き!