秘密・・・




大きな秘密








暖かい日差しが降り注ぐ離宮のテラス…紅茶とお茶菓子で午後のティータイム。そんな優雅な雰囲気…なのにルルーシュはそんな気分ではまったく無かった。
自分の体を変えたこのCCという女に詳しく話を聴こうとしているのにCCはわざと話を逸らしルルーシュの反応を楽しむような事ばかりする。

「それで。処女を失った気分はどうだ?」

にんまりと微笑むCC・・・ルルーシュがそうゆう話を嫌う事を知っていてわざとそう聞く。この女は私で遊んでいる・・・そうとしか思えない。そう思ったルルーシュはすくっと立ち上がり冷静に「帰る」と言うとやっと話す気になったのか引き止め話をはじめた。

「まずお前の体の調子はどこも悪くは無いか?何かおかしなところとか・・・」

医者のような問診をはじめるCCの質問に答えていく。
大体の質問が終わり、最後の質問にルルーシュが固まる・・・。

「昨日は何回したんだ?」

私がこの女がまじめに聞いてくれていると思ったのが間違いだったのか・・・と思い遠くを見ているとCCがまじめな顔で主張してくる。

「これはふざけて聞いているのではないっ!大事な所となんだぞっ!!」

そういいすごい剣幕で話し出す。

「お前の中に作られている物は擬似の子宮。それはお前の遺伝子から卵子を造り、貯めておく。劣化はしない。問題なのは相手の遺伝子が入ってから・・・相手の遺伝子が入ってもお前には女性のようにいい遺伝子を選ぶすべが無い・・そうすると大半が駄目になってしまうだろう。だから考えたのが学習機能だ!!」
がーっと話ているccに呆気にとられるルルーシュを指差し続ける

「過去のデータからいい遺伝子を選ぶと言う物だ。だから最低100回のデータが必要だ!だからこれからも存分に励めよっ!!」

やっぱりどこか楽しそうなCCが何を言っているのか判断するのを頭が拒む・・・。
昨日ので終わったと思っていたのにあれを最低100回・・・無理だ・・・。

そんな絶望したような表情のルルーシュにとどめの一言。

「データは3ヶ月でクリアされてしまうから3ヶ月で100回はしろよ」

もう言葉が出るはずもなかった・・・。

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CCとの話にダメージを受けながら自室に戻るとスザクはいなかった。
きっと自分を探しているんだとは思ったが下手に動いてすれ違うよりここで待っていようと思う・・・
そしてルルーシュはふと考えが浮かんだ。

別に子供を無理して作る必要なんて無いんじゃないか・・・自分とスザクが結婚すれば合衆国は出来上がるのだ・・・そう思えば何か悪巧みでもしている気分になり軽い反逆を憶える。
「(そうだ・・・フフフ、そうすればいいじゃないかっ!スザクはあの事を知らない。・・・やれるっやれるぞっ!!)」

ふはははははっと笑いがこみ上げてしまったその時スザクがすごい勢いで走ってきて扉を開けた。

「ルルーシュ!!ここに居たんだ・・・探し回っちゃったよ」

いきなり現れたスザクにはっと我に返り話をする

「あ、あぁすまないな・・・急に飛び出してきてしまって・・」

振り返り話し出すルルーシュを抱きしめてスザクがいう

「気にしないで、君を探してるのはなにか楽しかったよ」

まるで猫を探してる気分だった、と笑いながら言うスザクに「猫とはひどいな」と笑い返したルルーシュだった。

この様子ならばうまくいく・・・そう思った矢先信じられない話をスザクがし始めた

「そうそう・・さっき君を探してる時にCCに会ったんだ」

「・・・えっ」

こう聞いてしまったらもう何もかもが終わったと核心までしてしまった

「君も聞いてるよね?」

「な・・・なにをだ・・・」

笑顔で聞いてくるスザクにとぼけて聞いてみても無駄だったようで・・・

「やだなぁ〜子供の事だよ。大丈夫!僕全然満足できてないから3ヶ月で100回なんていわずに君とならもっと出来るよ!!」

そんな弾んだ声で言われても何も喜べない・・・別にするのが嫌だと言うわけではないっ
ただあんな事が後何回もあると思うと羞恥と不安でどうにかなりそうだ・・・。

「どうしたの?ルルーシュ・・・まさか嫌なんていわないよね・・・?」

俯くルルーシュの顔を上げさせて不安そうな顔で覗き込む
こんな風にいえばルルーシュがいやと言えないことを知っていてそうしてるとしか思えないが、案の定ルルーシュが拒めるわけも無く「言わない・・・」と答えるしかなかった・・・。


この数日後枢木首相が日本からやってきて盛大に結婚式が執り行われその中継も全国放送となり今では合衆国ブリタニアの皇帝と皇妃。スザクとルルーシュのことを知らない物は少ない。

そしてさらに数ヵ月後には妊娠報道と言うおめでたい話題に世界中が祝い喜んだ・・・。

その報道には二人そろった姿が放送されインタビューで話されたのはルルーシュの言葉はこうだった。

「こんなに早く幸せが来るなんて思ってもいませんでした」

ロイヤルスマイルで答えるルルーシュに誰もが本当に幸せそうだと思ったがその内の声は「こんなに早くなるなんて計算外だ」であっただろう。

こうして世界中がルルーシュの秘密を知ることなく幸せな国の王様とお姫様の間に可愛い男の子と女の子の双子が出来た事を世界中が喜び見守る事になったのです。

大きな国の大きな秘密・・・幸せな二人いつまでも仲良く暮らしました。



10/02/03 修正。