恋人缶




【設定】
・「世にも奇妙な物語」のパロディです。
・Wパロが苦手な方は回れ右!!
・そして元のタイトルは「美女缶」というお話で妻○木聡が主演していたものです
・原作知っている方から見たらかなり私のオリジナルが入っちゃってると思います;;
・なので設定だけ「世にも〜」でほとんどオリジナルだと思ってください・・!
・終わり方はきっと同じ・・・?←
・作中スザ×女表現が出てきますが直接的な描写はありません





〜恋人缶1〜







「じゃぁスザク・・出張中よろしくね・・・」

「うん。任せて!!」

「・・・本当に1人で平気?」

「大丈夫だって・・!ほら遅れるよ??」


彼女が出張に行く間はこの部屋を預かる事になった・・・とはいっても元はキャリアウーマンの彼女の家にプー太郎の僕が転がり込んで家事とかはいつもやってることだし・・・今更三週間ぐらい1人でも何にも問題ないはずなのに今日の彼女はやけに心配する。

「・・うん。わかった・・・じゃぁ行ってくるね!」

寂しそうな彼女を見送りそんなに広くも無く狭くもない2DKのアパートの一室・・・そこにこれから3週間1人きりのスザク・・・。

寝室にあるベットに寝転がりながらアルバイトの求人雑誌をボーっと眺めている。

彼女と付き合いだしてからは彼女に促され色々な職にもついたがどれも長続きしない。
そんな自分を責めることなく優しい彼女は好きだが・・・でも何か物足りない。
そんな事を思っているが別に不満があるわけでもなく、別れたいとか浮気したいとかそんな事思っているわけではない・・・しいて言うならば退屈だ・・・。

『ダンっ・・・ドンっ・・・ガヤガヤ・・・』


隣の部屋がやけに騒がしい。

いつも挨拶する隣人は一見は「オタク」とかそんな見た目の中年男性だが今まで一度もこんな騒音がしたことは無くスザクが「あれ?」となり様子を伺うついでにベランダに干してある洗濯物を取り込もうと外に出る。

「・・・え?」

ベランダから隣が確認できるのは少しの隙間からだけだがその隙間から見えたのは異空間かと思った・・。

その隣人の部屋には国籍問わず金髪碧眼の美女やアジヤ系美人・・・とにかく綺麗な女の人が部屋に所狭しと座りその隣人である男の周りでお祭り騒ぎのようにいるからである。

そんな目を疑う光景を目の当たりにして驚いたがふと目を向けるとその男の部屋から出されたであろう缶が詰まったゴミ袋・・・

その透明な袋から見える缶の名前は「恋人缶」

「(恋人・・缶・・?)」

その缶に表示されている似顔絵ような物を見てまた驚く


「(あれ・・・・あの人そっくり・・・!?・・アレもソレも・・)」


見える限りの缶からはその部屋にいる女性に似てる物ばかりだった。

「(え・・・あの缶から出てきたって事??そんなバカな・・・)」

スザクはその状況をあまり飲み込めずとりあえず今日は見なかったことにしようと思ったのだ


―――――――――――――――――――――――――

次の日の朝
バイトの面接に行く為に部屋の鍵を掛けていると隣から人が現れた

「あ・・・」

「おはようございますぅ・・・」

それはスザクが昨日怪奇現象並みの事があったと思っている隣人だった

「おはようございます・・・え・・・」

そう言葉に詰まったのは次から次へとその隣人の部屋から美女がぞろぞろと出てくるからだ

「お早うござマス」

「オハヨウゴザイマス」

「HAY☆」

色々な言葉で次々出て行く女性達・・・

そして隣人のその手には昨日ベランダで見かけた缶が詰まったゴミ袋・・・


「昨日はうるさくしてすみませんでした」

隣人が「でわ〜」と美女達を引きつれ去っていく・・・・


その光景が信じられない・・・スザクは自分がおかしくなったのかと錯覚した。

「・・・なんだったんだ、一体…」

家から出て数分で一気に疲れてしまった

そう思いながら歩き出しふとアパートの前のごみステーションに先ほど男の手にもたれていたゴミ袋が目に入る。

「・・・・・・・」

好奇心が掻き立てられる・・・そして目に付いてしまった袋の中にある開いていない缶・・・。

サっと誰にも見られないようにソレを袋からだしアパートの部屋に帰ってきてしまう・・・面接とかそんな事頭から抜けていた・・・。

スザクが缶をまじまじと見つめる。

書いてあることは・・・・

〜恋人缶〜
※この缶詰は生ものです。使用期限に注意しましょう!
この缶詰を手に取っていただいたいるあなた!この缶詰であなたの理想の恋人が出来ます!
缶の種類はとっても豊富☆
東洋美人に西洋美人に和風美人・・あなたの好みの缶を選んでね☆
さぁここに名前を書いて缶を開ければあなただけの恋人が手に入るよ→「       」

そんな説明文を読み、缶に書いてあるその恋人の似顔絵を見ながら嘘だろう・・・と思っていたがその似顔絵の人がとても綺麗で「タイプだ・・・」と思いつい名前を記入してしまうスザク。

そして説明の反対側にある作り方の欄を見ながら作り始める

・まずお風呂に人肌ぐらいの温度のお湯をためましょう。量は人が入っても溢れない程度ならokです
(少なすぎてはいけませんよ!)
・缶に付属されている液体が入った袋を出しその液体をお湯の中に軽く混ぜ合わせて下さい。
大体出来上がるまでに3、40分かかります。
(恋人が恥ずかしくないようにバスタオル・着替えは用意しておいてあげましょう)
・その間に缶に付属されている恋人の生い立ちのDVDと冊子を読んでおきましょう。
あなたとの出会いの馴れ初めが書いてあり、その通りの恋人が現れます
・そして最後の注意です。恋人はあくまでも恋人。あなたの欲望を果たす為の道具ではありません。例え始めそっけない態度の恋人でもちゃんとあなたに恋をしています。
愛情を持ちその恋を愛に実らせてあげて下さい。決して乱暴に扱ったりしてはいけません。

以上が正しい恋人の作り方です。

つらつらと書かれていることを読みながら作業を進める。

袋から出した液体をお湯に軽く混ぜ合わせそのままお風呂場のドアを閉めバスタオルと着替えを用意しに部屋へ行く・・・

「(生い立ちのDVDね・・・)」

そんな事を思いながら再度缶に目をやる。

【恋人缶TDタイプ・・・名前ルルーシュ】

「(ルルーシュ・・・綺麗な名前だな・・・つかTDってなんだ??)」

何となくそんな事を思いながらDVDをデッキにセットして見はじめる

〜ルルーシュ・ランペルージの生い立ち〜

あなたとの出会いは夏の暑い日。
幼いルルーシュは母と妹とあなたの家の隣に引越しの挨拶に来ました。その時に物凄い喧嘩をしてしまい険悪な雰囲気になってしまったあなた達でしたが家が隣同士である事からよく一緒にいたあなた達は次第に打ち解け学校へ通い苦楽をともに分かち合い幼馴染という形でいましたが高校を卒業して一年・・実家を出て1人暮らしをはじめたあなた。なかなかあう事が無くなり寂しい気持ちでいた所ルルーシュの方からあなたに会いたいと連絡を入れてきたのです・・
そんな久しぶりの再会の最中に突然ルルーシュからの告白・・・返事を返す前にいきなりの豪雨にあってしまい近くにあったあなたの家に来ることになりました・・・さぁこの後からはあなたとルルーシュ二人の物語です・・・。

「(ふぅ〜ん・・・幼馴染ね・・・ありきたりな設定だ・・・)」

そんな風に思いながら冊子の方のプロフィールを見て驚愕する

【ルルーシュ・ランペルージ   性別   男(MEN)】

「うぇあ?!」

性別の欄を見て変な声があげる

「(お、男??・・・え!!なんで・・・?!だって表の缶の絵・・・!)」

そう思いまた缶を見直すとそこには綺麗な黒髪でアメジストの瞳が輝いている色白美人・・・日本人でないのは一目瞭然だが決してこれが男にはとても見えないのである・・・。

でもよくよく見ると♂の表示が小さくある事に今更ながら気がつく。

「(うわ・・・どうしよう・・・)」

スザクがそう思っていると浴室からシャーっとシャワーの音が聞こえ始める。
本当にルルーシュが出来上がってしまったのか・・・それに男・・・・
そんな風にぐるぐると考えていてもしょうがないと、手に持ったままの冊子にまた目をやりとりあえず落ち着く事も兼ねて文字に目をやる

恋人タイプ・・・ツンデレ(TD)
あなたに興味があることは確かなのに素直じゃなくそっけない彼ですがニコニコと愛情を注いであげるとあなたに心を開き立派な恋人になるでしょう。

その他スキル
頭脳明晰。体力は人並み位?
恥ずかしがり屋。素直じゃない。
声はテノールの優しい響き。

※この恋人缶は男女対応しています

冊子情報から見て喜べるとこが何もない・・・特に最後・・・男女対応って・・・自分にはそんな趣味あるわけではないのに・・・
でもまぁ・・似顔絵を見た限りではとてもタイプといえるが・・・等と考えていると浴室の方から声がして名前を呼ばれる

「なぁ・・!スザク」・・・と。

その声を聞いて男だとわかるがなぜか自分の胸がドクンと高鳴ったのと・・・その声の響きがとても心地よかったのだ。




100218   修正。  ダブルパロ難しかったorz