恋人缶 〜恋人缶3〜 食事も終わりスザクはテレビをボーっと見ている。 ルルーシュは先ほどの食器などを後で言いというのも聞かずに洗ってくれている・・・流しで洗い物をする姿を横目で見ていると後ろだけだと本当に女性なのではないかとまだ疑いたくなるその姿に目を奪われる・・突然ピピピピと電子音が鳴り響くとその音に気付きルルーシュがズボンから携帯を取り出す・・あまりにも自然なその行動だがそれを見たスザクは驚愕した。その証拠に携帯を閉じたルルーシュがスザクの視線に気付いた事もわからないくらいに。 「スザク・・?どうしたんだ??」 「え・・!?あ、いや・・携帯・・・持って??」 『恋人缶』なる得体の知れないものから生まれたルルーシュが携帯を持っている事に戸惑っているとルルーシュは 「携帯がどうかしたか?こんなもの誰でも持っているだろう?今の時代」 と何でもなさそうに言う。 それを聞きスザクはまだあの取扱説明書の様な冊子が途中だった事を思い出す。ルルーシュがまだ洗い物をしてくれてる間に寝室とは別の部屋へ行き先ほど押し入れに押し込んだ冊子を取り出す。 その冊子を開き読んだ所を目でおいそしてまだ読んでいないところを入念に探す。 そして見つけたことは・・・ ※ 最後に!! 恋人缶から出てきた人物は人間とそうかわりはありません。 そして自分を本当の人間だと思っています。その為その人物が身に着けているものや、必要なものははじめから付属されていることが多いです(例:携帯・ピアス・腕時計など) なのであなたに用意していただくものははじめの衣類等です。 警告!! 本当に最後になりましたがこれだけは本当に守っていただかなくてはいけません。 先ほども言いましたが「恋人」は自分を本当の人間だと思っています。 決して「恋人」に「恋人缶」から出てきたという事は知られてはいけません。 もし知られてしまうと使用期限に関係なく知ったその数時間後には「消滅」してしまいます。 ―ここまで読んでスザクはその言葉に背筋が寒くなる思いをした。 「(ルルーシュが消える・・このことを知ったら・・・)」 そんな恐いとも思える事実を知りスザクは今引っ張り出した冊子類をまた押入れの奥深くに隠すように仕舞った・・・・。 「(僕は、、少しでも・・少しでも長くルルーシュと居たい・・絶対にばれる事がないようにしないと・・・)」 青ざめた顔でスザクが思考に浸っていると後ろからルルーシュの声がする。 「そんな暗いところで何しているんだ?」 微笑みながら言うルルーシュの顔に安堵する・・ 「なんでもないよ・・ルルーシュ」 ルルーシュの笑顔…その笑顔に安心して・・自分も笑顔でそう返したと思う・・・。 「(今はルルーシュが居てくれればそれでいいんだ・・後のことはそれからで・・)」 この時のスザクの頭にはもう彼女の事よりもルルーシュの事しか頭になかった。どうやってこの二週間自分にルルーシュを刻み付けて忘れないものにできるか・・それだけだった・・・。例え存在していない者でも自分がここまで執着的になった初めての人・・これが大切におもえないわけなんてない・・・。 ++++++++++++++++++++ 寝室ではルルーシュが部屋の真ん中で動こうとしなかった。 「いつまでそんなところに居るのさ・・・」 スザクがベッドから諭す様に言うとルルーシュはスザクから視線をそらすように愛想のない言葉で言う。 「だから俺はソファーで寝るからいい・・」 「早く布団に入れ」→「いやだ」これの繰り返しをもう何度もしている。さすがにスザクが疲れてきてはぁ〜っとため息を吐きルルーシュに言う 「わかったよ・・僕がソファに行くから君がベッド使って?」 「なッ?!何故そうなるんだ!俺がソファでいいだろう・・その・・迷惑かけているんだから・・」 申し訳なさそうに・・そして恥ずかしそうにいうルルーシュをみてスザクはきょとんとした表情になる。 スザクはルルーシュが何を嫌がって布団に入らないのかわからなかったが今の言葉から少なからずルルーシュの嫌がる原因が伺えた。きっと自分があまり意識していないからいけなかったんだろうけど寝るときの格好はいつもほとんど裸に近い・・それがルルーシュにとっては身構える要因になってしまったのだろう。 自分をあまり視界に入れようとしないルルーシュの気持ちを考えるとコチラまで何か変な気分になってしまう・・多分ルルーシュはそんな気はないのだと言う事がみてわかるが・・それは自分の性欲の強さを恨むしかない・・・。 そんな如何わしい思いを持ち始めてしまうと尚の事自分がソファで寝なくてはと思う。 「き、気にしないで!僕毛布だけもらっていくからさ・・おやすみ!」 毛布だけ抱えて寝室を出てダイニングにあるソファに向かう。 「(ん〜・・こんなに反応してしまうとは思わなかったな・・・)」 確かにルルーシュは好みの顔で・・その・・性格とかもタイプだって気付いた・・。でも男を性的に見てしまうとは・・何かとてもいけないことをしてしまったような気がしてソファに寝そべり思考を違う方向に持っていく努力をしてみる。 ・・・が、出てくるのはいけない想像ばかり…あの薄い綺麗な形の唇はどんな感触なんだろうとか、白くて透き通っている肌は見たとおりの滑らかな肌触りなのか?とか、あの麗人の彼が乱れたらどんな表情なのか・・と思考はそんな方向にばかりフルスロットルになってしまった。 「・・・スザク・・・?」 「!?」 そんな忌まわしいとまでいえるような想像を繰り広げているとベッドで寝ているはずのルルーシュから声を掛けられ体が浮くほどに驚いてしまいかかっていた毛布は床に落としてしまう。 「そ、その・・さっきはすまない・・やっぱりこんな所で寝てしまったら風邪を引かせてしまうと思って・・ベッド大きいから二人でも大丈夫だろう?」 部屋の照明が落ちているために少しルルーシュの表情が見えづらかったがその顔には少なからず朱色が入っていた。 きっと彼の設定上こんな風に言ってくれる事はそうそうないだろう・・・でも・・・。 「あ、いや・・気にしないで本当に・・その・・僕こそごめん・・・」 「何でスザクが謝るんだ?」 ルルーシュはスザクが謝る理由が全然わからなかった。そしてうす暗い中部屋の中を少し進みスザクに近づくそして何気なしにスザクの下半身に目をむけてしまうと・・ 「!!!????」 その不自然な膨らみに気付き言葉をなくすルルーシュそしてスザクはそれが知られてしまいなんとも罰の悪そうな表情をするしかなかった。 「な、なななな・・・お前なんでそんなっ・・」 ルルーシュの表情が今度こそ真っ赤になった事がはっきりとわかった。 「いや・・なんか意識しだしたら色々考えちゃって・・・」 あはははと申し訳なさそうにあまりながら自分の頭を掻くスザクは心の中では何でこんな馬鹿正直に自分の事話しちゃってるんだと思っていた・・・。 「・・・それは俺のせいなのか・・・」 少し小さめの声で囁かれた言葉にスザクは「え?」と聞き返す。 「だから、それは俺のせいなのかと聞いたんだ・・・」 顔の赤みはますます強くしてルルーシュが聞いてくる・・そんな真剣な表情に少し呆気にとられて「うん・・・」とまた正直に答えてしまう・・・言い訳なんていっぱいできるのに・・・。 「そ・・それなら・・」 言葉に詰まりながらルルーシュがスザクに近づく・・顔がとても近い・・・そんな事をあまり働いていない頭で思っていると唇にやわらかい感触・・・ 「ん・・・!?」 スザクが驚きに声を漏らす。 「・・お、俺は・・お前とならいいぞ・・」 やわらかい感触が離れるとそんな信じられない言葉が聞こえる 「え・・・ルルーシュ・・・いいの?」 驚きのまま質問すると小さくコクンと頷くルルーシュ・・・その時にスザクの箍を押さえていたものがすべて外れてしまった・・・。 100218 修正。 出会って初日とかあまり疑問に思わないのはスザルルパワー(?)だと思います←(十分不自然です;;) |